カニエ・ウェストとウィル・スミスが共演したケンドリック・ラマーのビデオでディープフェイクが使用される

ハイパーフェイクやビデオトックスとしても知られるディープフェイクは、人工知能を使ってマルチメディアコンテンツを変換する技術だ。既存の動画ファイルを他の動画や音楽に重ね合わせる。これにより、インフォックス（偽情報）やデマと呼ばれるものが作られる。ケンドリック・ラマーの新しいビデオのように、ますます身近になり、メディアでも取り上げられるようになった技術的な偉業である。

ディープフェイクの歴史

顔の動きをシミュレートし、それを対象人物に転写するのは比較的最近の技術である。人間の声を再現できるAdobe Vocoプログラムのおかげで、音声ハイパーストラクチャーが初めて登場したのは2016年のことだ。

2017年7月、この技術は「偉業」と評されるだろう。実際、BBCはオバマ大統領を再現したAIによるスピーチを放送する。この偉業は現実と区別がつかなかった。

2017年には、ハイパートリュケ・ポルノという、もうひとつあまり輝かしいとは言えない現象が日の目を見た。ハリウッド女優や俳優の顔を、本人ではない身体に重ね合わせるのだ。

2018年1月、FakeAppアプリが公開された。顔を入れ替えた動画を素早く作成し、共有することができる。 

ついに2018年8月、カリフォルニア大学バークレー校の研究者たちが、ダンサーの偽映像の作成に関する研究を発表した。この方法では、プロのダンサーの動きにキャラクターを重ねることができる。

ケンドリック・ラマーとディープ・ブードゥー・スタジオ

アーティストのケンドリック・ラマーが最新ビデオ「The Heart Part 5」で人工知能を使用。ディープ・ブードゥー・スタジオ（サウスパーク・シリーズのクリエイターが所有）は、このクリップのディープフェイクを制作し、このコラボレーションの素晴らしい成果を実証した。

これはディープ・ブードゥーの初めての試みではなく、同スタジオはすでに2020年にディープフェイクのフェイク・ドキュメンタリーを制作している： フレッド・サッシーとサッシー・ジャスティス このビデオは現在でもインターネットで見ることができる。ドナルド・トランプやマーク・ザッカーバーグといった重要人物も見ることができる。

この新しい芸術的プロジェクトは、創造的であると同時に技術的にも大胆であり、長いシリーズの幕開けを告げるものである。パラマウントのための長編映画も準備されているようだが、公式にはまだ何も決定していない。

ケンドリック・ラマーはまたしても、いつものように彼を新たな高みへと導くような素晴らしい作品を生み出した。